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読み:ぶんげいぶ 校内に存在していた部活動のひとつ。 当時、囲碁将棋部と兼部していた部員もいた(その部員曰く、部の雰囲気は女性版囲碁将棋部だったとのこと)。 一方的にライバル視している時期もあった。 品詞:名詞 使われていた時期:主に2005年以降
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大瑠璃高校文芸部 文芸部は月に一度集まって、部員の書いた小説・詩などの作品を掲載した部誌を発行しています。 あなたも一緒に作品を作ってみませんか? + アーカイブ目次一部 アーカイブ目次一部 部員紹介本 大瑠璃祭号 2017年9月発行 毎年文化祭で発行している自己紹介本です。 文化祭では図書室前で過去部誌の配布を行っています。 目次 3年 (副部長)国立文系コース (部長)私立理系コース 2年 ふみ文系コース 道明寺(副部長)理系コース 1年 ケン シラナミ 鳥生(とりう) 四月号 2018年4月発行 目次 「ある高校生の毎日」 ケン 「世界の裏側にて first」 道明寺 「恋を運ぶきみに」 ふみ ……
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所属:夏目真尋
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文字サイズ小でうまく表示されると思います 「結婚」より イージス艦が潜水艦を目視距離まで見つけられなかった事件で、イージス艦の性能を疑うのは 間違っている。イージスシステムは対空におけるレーダー機能であって、海中までをも見通す力 はない。 どこから仕入れてきた無駄知識何だかしらないが、先日谷口はそんな事を力説していた。 が、そんな例や日本の防衛能力等どうでもいい程に俺は今驚いている。 絶対的な信頼感を持つ存在が、こんな出来事で揺らぐはずがない。はずがないだろ? ――だが、どうみても俺の隣に座る長門は青白い顔をしていて、乗っているバスが揺れるたび に緊張した表情になっている。 大丈夫か? 降りた方がいいんじゃないのか? そんな俺の言葉をことごとく拒否し、降車釦 を押そうと伸ばした手は小さな白い手に掴まれて阻まれてしまう。 「大丈夫……」 今のセリフだけでも大丈夫には聞こえないぞ? ――事の始まりは先日の事である。 「おいキョン、お客さんだぞ」 昼休みの教室、暖かな日差しを受けて静かな眠りにつ「お~い起きろ~」 ええい揺さぶるな。誰だ俺の貴重な睡眠時間を邪魔する奴は? はっきりしない視線に立っているのは……俺はまだ寝ぼけているのか? 俺の目の前に居たのは不満げな谷口と、机の一部を見るような視線を送っているのは長門だった。 「ったく、世の中絶対間違ってるぜ。なんであいつにばっかり……」 意味不明な愚痴を残して谷口は自分の席へと去っていき、残された長門は何も言わないまま俺に 何かを訴えている。多分。 珍しいじゃないか、どうかしたのか? 沈黙する長門から差し出される1枚のA4紙、そこにはワード慣れしていない人が作ったのであ ろう改行にくせのある文章が記載さえている――何々? えー……定期絵本の読み……聞かせ? その後の長門の解説によれば、だ。 去年までの文芸部、つまり長門が入部する前の文芸部では図書館で行われる幼児向けの絵本の読み 聞かせに参加していたらしい。なるほど「創造的かつ活力ある学校生活を送るに相応しいもの」と まではいかないが真面目な活動内容じゃないか。 それは中々好評だったらしく、今年も是非に……と学校に連絡が来たらしい。そして唯一の文芸部 員である長門に話が来た……とそんな所なんだな? 「そう」 なるほどね、それにしても絵本の読み聞かせか。朝比奈さんが絵本を片手に子供たちに囲まれてい る姿は何とも絵になるだろうな。 ハルヒは話を聞かない子供と同レベルの喧嘩を始めそうで早くも気が重い。 実施日は明日か、ずいぶん急な話……ん、まてよ。明日は確か――そうだ、ハルヒがみんなで鶴屋 さんの家に遊びに行くとか言ってた日じゃないか。 「キョン、私達はSOS団なのよ」 そうだな。とりあえず俺の目の前にあるこの指をどけてくれ。 「だったらどっちが優先順位が高いかくらい小学生でもわかるじゃない。それとも何、団長である あたしの命令よりこのA4紙一枚を優先するわけ?」 とりあえず落ち着け。俺はただ状況を報告しただけだ。 放課後の部室、予想通りの反応を示すハルヒに俺は予定通りの溜息をつく。 そんな俺を優しい眼差し見守って下さる朝比奈さんと、いつもより何かしらの感情が入り混じって いる様な気がする視線を送る長門。それと営業スマイルの古泉。最後に、さあ食べようと思って箸を 伸ばした肉を、直前で持ち去られた様な顔で俺を睨むハルヒが居る。 こいつの事だ、一度決めた事を変更する訳がないよな。それはわかってたさ。でもまあ、長門が わざわざ休み時間に俺を訪ねて来てくれたんだ、せめて代わりにハルヒに伝える事くらいはしてやり たいだろ? それに意味は無いだろうけどな。 だがしかし、俺が何を言うまでもなくハルヒの表情が勝手に怒りから笑顔に変わっていく。 「……そうね、でもまあ部室を使う以上は文芸部としての活動が0ってのも問題があるかもね」 おい、何を思いついたんだ? そのまま言わずに心に閉まっておけ。 小悪魔どころか大魔王の様な邪悪な笑みを浮かべるハルヒは、ふっふっふと小さく肩を揺らしながら 笑って俺を見ている。 猫ってたまにこんな顔するよな、どうでもいいけど。 「キョン。じゃああんたは明日、別行動ね」 は? 「だーかーら、別行動。その絵本の読み聞かせだっけ? そっちにはあんたが行ってきてよ」 ……そうきやがったか。 大魔王のくせに子供みたいな発想だな、まあ本当に大魔王的な発想をされるよりはよほどいいが。 へいへい、わかったよ。 どうせ文句を言っても無駄なんだ、大人しく同意しておいた方がいいだろ。 そう考えてあっさりと承諾した俺なのだが、 「え?」 俺の返事がそんなに予想外だったんだろうか、ハルヒは口を開けたまま俺を見て固まっている。 更に 「私も行く」 まるで美術室に置いていた石膏像が突然喋ったのかと思う程に俺は驚いた。いや驚くだろ? なんせその言葉は、窓際に座る長門から発せられたものだったのだ。 「そ、そう。……じゃあ有希、お願い」 ケーキの箱を開けたら中身は空だった。そんな感じに脱力した声でハルヒは呟き、俺と長門での 図書館訪問はこうして現実の物となったのさ。 ――そして翌日である今日、いつもの市民図書館ではなく町はずれにある小さな町民図書館に 向うバスの中で、俺は自分の中の認識を根底から覆される事態に遭遇している訳だ。 もしかして何か宇宙的、あるいは未来的、さらには超能力的な何かのせいで体調が悪いのか? と聞いた俺に、長門は首を横に振った。どうやら本当にバスが苦手なだけらしい。 目的のバス停まで後……だめだ、30分はある。 いよいよ前傾姿勢になりはじめた長門を目にして――許せ長門――俺は降車釦を押した。 大丈夫か? 頷く長門の目じりには涙の跡が見える。 バスから降りた後、近くにあった公園に移動して十数分。その間の詳しい描写は省略する。 その方がいいに違いない。 「……」 長門、そんな悲しそうな顔するな。誰だって……まあ、お前がこんな状態になったのは予想外に も程があったが気にする事じゃないんだぞ? マジで。 いつもより小さな首肯。 やれやれ。 ほら、これ。りんごジュースでよかったか? そうか、ちょっと休んでから行こう。 そこのベンチに座るといい。 制服だと締め付けがあるからきついぞ、ちょっとゆるめたらどうだ。 ――俺に言われるままに行動する長門、これだけ素直なのも珍しいな。 休日の公園は閑散としていて俺達以外には子供が数人走り回っているだけだった。 長門の隣に座って例のA4紙を取りだして確認してみる。 開始時間は……まだ1時間はあるな、早めに出てよかったぜ。それにバスのルートは目的地へ 行く間に大きく遠回りをしているらしく、地図を見る限りここからなら歩いても間に合いそうだ。 「もう、平気」 そう呟く長門の顔は、まあさっきと比べればだいぶ良くなっているとは思うが……。 長門、まだ時間はあるみたいだしもうちょっと休んでも大丈夫だぞ? すでに立ち上がっていた長門は俺の言葉にしばらく固まった後、再びベンチに座りなおした。 柔らかな日差しの中、のんびりとした時間が過ぎていく。 俺はそれを退屈な時間だと……まあ、普通なら思うんだろうけどな、今日はそうでもなかった。 何故なら、いつもの様に本を読んでいるのではなく公園の中を見回している長門の視線を追って みるのは意外にも楽しい。 どうやら今はブランコを見てるようだ。お目が高いな、高校生になった今でも人の目が無ければ つい乗ってしまう魅惑的な遊具だ。年齢に応じたトリックがあるのも高評価に繋がっている。やはり 宇宙人とはいえブランコには耐えがたい魅力を感じるのだろうかね? 次はジャングルジムらしい、危険だとか言いだした大人のせいで今では殆ど見かけなくなっち まったな。寂しいぜ。 続いて砂場、素手で掘り続けると皮膚が薄くなって危険なんだ。あれは。 そして俺、ああ俺か。 自分の視線を追われているのに気づいたのだろう、長門は俺の顔をじっと見ている。 さて、俺はここでなんて言えばいいんだろうな? 本気で迷っていた俺を見て、 「ありがとう。もう大丈夫」 唇の端を僅かに持ち上げつつ、長門はそう呟いた。 少しずつ、でも確かに長門は人間らしい仕草を身につけていっていると俺は思う。 俺はその変化が嬉しくて、不思議そうな顔をしている長門の頭をくしゃくしゃと撫でてやった。 地図を片手に歩く公園から町民図書館までの道のりで、俺と長門は色んな事を話した。 といってもまあ、俺が話して長門が短く返事を返すか頷くだけの傍目に見れば一方的なコミュニ ケーションだったんだけどな。 今日読む本ってのは向こうで決められてるのか? 「図書館で選ぶ」 ああ、選べるのか。ジャンルは絵本だけど長門はどんな本を読むのかもう決めてるのか? 「もしあれば、読みたい本がある」 なんて本だ? 「……秘密」 そうかい、じゃあ楽しみにしておこう。 「お勧めがある」 俺にか? 「そう」 なんてタイトルだ? 「ぐりとぐら」 懐かしいな、俺も読んだ事があるぞ。 「貴方に似ている」 俺に? 誰が。 「ぐり」 ……俺にはぐりとぐらの違いは色しかないと思うんだが、違うのか? 「違う。貴方に似ているほうが、ぐり。似ていないのが、ぐら」 そうか、わかった。次に読む時は注意して読んでみるよ。 「似ている」 俺の顔を見て確信するように頷く長門、さて……これは喜ぶべき事なんだろうかね? そんなこんなでようやく俺と長門は町民図書館に到着した。入口には「絵本の読み聞かせ」と書かれ 折り紙の星で飾られた手作りの看板が置かれてあり、入口の脇には所狭しとベビーカーが並んでいる。 それを乗り越えた先にの玄関には、子供用の小さな靴が敷き詰められていた。 ……まあそれだけならいいだろう、うん。だが中から聞こえてくるこの聞き覚えのある声は……。 「うん! とこしょ……どっ! こいしょ……まだまだかぶはぬけません……さあみんな! あたしに ちからをかしなさーい!」 続いて建物に響き渡る甲高い子供の大合唱。 うんとこしょ! どっこいしょ! 「だめだめー! そんなちっちゃなこえじゃかぶはぬけないの! さあもういっかい!」 幼児室の中央で椅子の上に立ち、主に男の子の人気を独占して大声を張り上げているのは……言う までもないよな、それはハルヒだったよ。 ついでに鶴屋さんも子供に混じって大声を上げていたりする。 うっわー違和感ないなあ。 「真っ暗の空、家の屋根にはねこ。屋根の上が明るくなってきて、お月さまの登場です。おつきさま こんばんは」 部屋の片隅、大人しい女の子達に囲まれて絵本を読んでいる朝比奈さんのお姿も見える。 ついでに古泉はといえば何故か保護者、まあわかりやすく言えば主婦の方々に囲まれて困り顔だ。 まあいい、あいつは放っておこう。 「よんでー、ねーねー! これよんでー」 そんな光景に、思わず部屋の入口で立ちすくんでいた俺と長門の足元にいつの間にか子供たちが 絵本片手に群がっていた。 色とりどりの絵本の中に、見覚えのある絵が見えている。 お、それはぐりとぐらじゃないか。 俺はさっそく絵本を受取ると空いている場所へと移動して座った、さっそく取り囲んでくる子供達は 期待した目で俺の言葉を待って……長門、お前も聞くのか? 首肯。 そうか、まあいい。いいかーはじめるぞー? 頷く子供たちが聞く体制に入ったのを見て、俺は 所々かじった跡のある絵本を開く。 さて、俺がぐりに似てるってのは本当なのかね? ……森へ どんぐり拾いに出かけかけた 野ねずみの ぐりと ぐら――。 「いっやー! 久しぶりに来たけどおっもしろいねー図書館!」 そうですね、言えませんけど鶴屋さんが誰より楽しそうに見えましたよ。 「本当に楽しかったですー」 「みくるちゃんが一番真剣だったわよねー。子供達より」 絵本の読み聞かせはその後予定時間を2度も延長し、大好評の中で幕を閉じた。 まあそれはいいさ、でも何で……って聞くのは野暮ってもんか? 「さあ? どうでしょう」 何事も無かった様に俺と古泉の少し前を歩くハルヒ達、時折見えるその横顔は絵本の続きを待って いる子供達の様に楽しそうで俺の「何でお前らが図書館に居たんだよ」なんて言葉を封じ込めるには 十分だった。 「あ、あんたのその顔はなんでお前らが図書館に居たんだよって顔ね」 振り向きざまにハルヒが俺の顔を睨む。 ……それはどんな顔だ。 「こんな顔よ」 ええい、人の顔を指差すな。子供達が見てるんだぞ! 「え、ああそうね」 歩道には俺達と一緒に図書館を出た子供達が溢れかえっている、その内の何人かはハルヒに熱狂的 な視線を向けていて、どこまでもついてきてしまいそうな雰囲気すらしていた。 おいハルヒ、そろそろこの子供達を何とかしないといけないと俺は思うんだが。 「そうね、あんた達そろそろ家に帰りなさい」 途端にあがる不満の声、まあそうだよな子供に理屈なんて物は通じやしない。 「えっと、あの、その。あんまり遅くなるとお母さんが心配しちゃうから、ね?」 と朝比奈さんが優しーく諭しても子供達に変化はない。俺なら即座に「はい!」と言いそう なんだがな。 「いーい。大人しく家に帰って、お母さんとお父さんの言う事をちゃんと聞いたらまた絵本を読みに 来てあげる。今度は今日の絵本なんかよりももーっと面白い話を聞かせてあげるわよ?……それでも 帰らない?」 もっと面白い話、それがなんなのか興味を引いたのだろう。一人、また一人と手を振りながら来た 道を戻りはじめる。 やれやれ、どうやら今日は何事もなく終わってくれたようだな。 ついてきていた子供の最後の一人が手を振り去っていく、その子に大きく手を振り返しながら 「気をつけて帰るのよー! そしていずれはSOS団に入るんだからねー!」 ……それが狙いだったのかよ、ハルヒ。 「考えてみれば小さな頃から洗脳しておくのは確かに有意義な事ね、SOS団員としての英才教育を あの年齢から始めればきっと優秀な団員に育つはずよ! そうよね古泉君」 「先見性のある素晴らしい発想かと」 ハルヒはイエスマンとなった古泉相手に、不吉な未来予想図を嬉々として語っていた。 ――ん? 誰かが俺の服を後ろから引っ張っている。 振り向いてみると、そこに居たのは長門だった。 「ありがとう」 えっと、何がだ? 「公園で」 あ、ああ。あの事か。気にするんなって。誰だって体調が悪い事はあるんだ。 とまあ思い出させない様に話をはぐらかす俺を、長門は静かに見守っている。 それより長門、お前が秘密にしてた読みたい本って結局なんだったんだ? 「……秘密」 その割には言いたそうにも見えるんだが……でもまあ、読む時になれば教えてくれるか。 世の中は絵本の中の様には進まない、現実って奴はたまに目を背けたくなるほど厳しい事もある、 それは知ってるさ。 それでも――もしも願い続ける事で願いが叶うなのなら、少しずつ表情豊かになってきた長門が本当に 笑顔で笑える日がくる事を俺は願っていよう。 また、図書館に行こうな。 俺の言葉に頷く長門は、夕日に照らされていたせいか素直に笑っている様に見えた。 文芸部「酔い覚まし」 終わり 図書館へ続く その他の作品
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ドキドキ文芸部プラス! 【どきどきぶんげいぶぷらす】 ジャンル サイコロジカルホラービジュアルノベル 対応機種 WindowsXbox OneNintendo Switchプレイステーション5プレイステーション4 発売元 【Win/One】Serenity Forge【Switch/PS5/PS4】PLAYISM 開発元 Team Salvato 発売日 【Win/One】2021年7月1日【Switch/PS5/PS4】2021年10月7日 定価 【Win】1,520円【One】1,750円【Switch/PS5/PS4 PKG】4,200円【Switch/PS5/PS4/ DL】1,980円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 このゲームは子供や刺激に弱い方には適していません。 This game is not suitable for children or those who are easily disturbed. 概要 アメリカのゲーマーでもあるDan Salvato氏が率いる小規模開発チーム「Team Salvato」が作成し、2017年に公開したPC向けノベルゲーム『Doki Doki Literature Club!』が原作。 日本では原題を直訳した『ドキドキ文芸部!』という名前で展開されているが、略称は原題ベースの『DDLC』となっている。 Steamでの数々の高評価に加えてネットミーム化したこともあり、一時期PCゲーマーの間で話題となった。 本作『プラス』は上記の作品の決定版およびCS移植版となっている。 海外展開およびそれに準ずる各Win版のパブリッシャーはアメリカ・コロラド州に拠点を置くゲーム会社のSerenity Forge、国内の家庭用機版はPLAYISMからの発売となっている。 本Wikiの執筆ルール上、企業ではない同人チームがパブリッシャーとなっている『Doki Doki Literature Club!』(以下「オリジナル版」と表記)に関する情報は、本作との比較という形で記述する。 なお、本作はネタバレが特に注意されるゲームであるため、本記事でもネタバレとなる記述はなるべく隠しながら紹介をする。 特徴 基本的なシステムは一般的なよくあるノベルゲーム。基本的にはテキストウィンドウに表示される文字を読み進める。 ヒストリー(バックログ)・既読スキップなど、昨今のノベルゲームに存在する機能は一通り搭載されている。 登場人物(ヒロイン) サヨリ(Sayori) 元気いっぱいな主人公の幼馴染であり、文芸部の副部長。朝起きるのが苦手でよく寝坊してしまう。CGのコンプリートをせずにエンディングを迎えると・・・? ナツキ(Natsuki) かわいいものが好きな勝気な性格の一年生。実は主人公と同じくマンガが好き。父親に経済的かつ精神的なDV(虐待)を受けている。 ユリ(Yuri) ファンタジー小説が好きな大人しいミステリアスな女の子。ナイフで、ある事をしてストレス解消をしてる。 モニカ(Monika) 文芸部の部長。後述の詩の作成パートではモニカに対応する単語はなく、モニカに詩を見せた場合、書いた詩が誰の好みかを教えてくれる他、執筆のアドバイスもくれる。本作における出来事は、大体こいつのせい。 詩の作成パート ランダムで表示される単語を20個選び、詩を作成する。 単語にはサヨリ、ナツキ、ユリの3人に対応したものがあり、選んだ単語によってどのヒロインと仲良くなるか分岐する。 と、ここまでならよくある普通の恋愛ノベルゲームのように思う方もいるかもしれないが、ストアページや公式サイトを覗いて見たり、ゲームを起動してみると、ところどころに不穏な情報が垣間見える。 公式ジャンル名のサイコロジカルホラーというジャンル、海外でのやたら高い対象年齢(*1)、Steamストアページのタグにある「精神的恐怖」というタグ、等々…。事前情報だけでも普通の恋愛ゲームにはない「何か」があることだけは察することができる。 ゲーム初回起動時にも、「不安症やうつ病に苦しんでいる人は本作をプレイすべきではないかもしれない」と警告され、お住まいの地域のレーティングの対象年齢以上であることと、本作に刺激的な表現があることに留意することを同意させられる。 オリジナル版からの変更点・追加点 すべてのアートワークの解像度のフルHD化。 6つのサイドストーリーの追加。 刺激的な描写を事前に警告する警告機能の追加。 CGなどのアートワークやBGMを視聴できるギャラリーの追加。 評価点 非常に凝った演出とギミック ネタバレになってしまうので詳細は書けないが、普通のノベルゲームではまず見られないような演出やギミックを採用しており、プレイヤーをいい意味で驚かせてくれる。 魅力的なヒロインたち 本作のヒロインたちの性格は一見王道のように見えるが、ストーリーを進めるにつれて、心情や抱えている悩みなどが見えるようになり、プレイヤーをのめり込ませる。 しかし、本編のある事でモニカの事を嫌うプレイヤーも多数いるのだが…(詳細は後述)。 追加されたサイドストーリーも好評 ヒロインたちの関係性や性格の掘り下げがされており、オリジナル版プレイ済の人からも好評である。 サイドストーリーは本編と違って、「他者理解」「関係の築き方」「友情」をテーマとした話となっており、純粋に読み物としての評価が高い。故に本編とのギャップが著しいが。 なお、サイドストーリーは本編との直接的な繋がりはないことが仄めかされており、実際に本編との矛盾がいくつか見受けられる。 アートワークの視聴機能の追加 ゲーム中で見れるもの以外にも、条件を満たせばオリジナル版リリース後に外部で公開したアートワークや、開発途中のスケッチなども見れる。オリジナル版のファンも必見。 衝撃のストーリー展開 本作の本編ストーリーは大まかにACT1・ACT2・ACT3・ACT4の四段階に分けられている。 これらの内、ACT2以降はノベルゲームはおろか、あらゆるコンピューターゲームと比べても、類稀なる演出とストーリー展開が差し込まれ、特徴にて記述した不穏な情報の意味をプレイヤーは理解することになる。 + ストーリー展開に関する詳細(重大なネタバレ注意) ACT1のラストにおいて、 サヨリが自殺 し、そのまま終わってしまう。 その直後、タイトル画面へと戻されるのだが、そこには明らかな異常事態が起こっており、プレイヤーは必然的に「二周目」をプレイすることになるのだが……。 + ACT2のストーリー展開(本作の核心に触れるネタバレであるため、閲覧注意) ACT2では、それまでの恋愛ゲームのような雰囲気とは打って変わって、プレイヤーを驚かせるホラー演出が差し込まれるようになる。 突如バグったようなノイズが入ったり、壊れたグラフィックが表示されたり、ストーリーの合間において「特別な詩」が読めるようになったりと、それまでとは明らかに毛色の違う作風へと変貌する。 ヒロインたちの抱えている秘密も徐々に明かされていき、これらが更にプレイヤーの精神を抉ってくる。 そしてACT2の終盤において、これらの出来事を引き起こした黒幕が本性を現すのだが……。 これ以降の展開は是非とも、あなた自身の目で確かめてもらいたい。 賛否両論点 一部の刺激的な描写について 本作には後述のホラー演出とは別に刺激的な描写が多数あり、人によっては不快感や嫌悪感を感じてしまう可能性も多大にある。 具体的には「うつ病・自殺・自傷・いじめ」(ネタバレのため反転)などである。これらの要素に不快感・嫌悪感を感じる方は要注意。 サイドストーリーにも、これらの描写が少なからず存在する。 警告機能について 本作にはオリジナル版と違い、刺激的な描写が入る直前に警告をしてくれる機能が搭載されている。 しかし、警告機能をONにすると結果的にストーリーのネタバレがされてしまうので、一概に良機能とも言い難い。 そのため、前述した描写がよっぽど苦手という方以外は警告機能をOFFにしておくことを推奨する。 なお、警告機能をONにしていても、後述するホラー演出に対する警告は出ない。あくまでも「刺激的な描写」しか警告されないため、勘違いしないように。 一部の登場人物について 主人公について 成人向けゲームや一部の少女漫画ではよくある事だが、「主人公の幼馴染であるヒロインの家の前に別のヒロインを連れて行ってしまい、結果的に悲劇を招いてしまう。」という描写がある。 特に主人公においては、幼馴染に対して少々ではあるが辛辣な態度(*2)も取る、己のエゴのために(*3)文芸部に入るなど、僅かながらに人間性に問題のある場面があり、一部のプレイヤー達からは不評を買っている。 この手の話で良くあることだと片付けてしまえばそれまでだが。 モニカの人物像について + (重大なネタバレ注意) 根本的なネタバレになるので行動面については伏せておくが、攻略対象外のヒロインであるモニカは、己のエゴを満たしたいが故に全編通して目に余る「行動」をして事態を悪化させている。そのため、ヒロインの中で唯一と言えるほど非難の声が多い。 だが、この「行動」こそが本作のストーリーの根幹をなすものであり、本作を本作たらしめるものとなっているのも事実である。そのため、一概に問題点として切り捨てすることはできないだろう。実際、モニカのキャラクター性に対して魅力を感じ、真のヒロインと評価する人も決して少なくない。 ついでに言えば、フォローできる点が全く無いわけではなく、CGをコンプリートしていない状態でのエンディングにおけるサヨリの暴走を顧みると、一概にモニカだけに問題があるとは言い切れない可能性もある。もっとも、ゲーム側からは明確な説明はされていないため、これもプレイヤーの考察の域を出ないが。 ホラー演出について + ホラー演出に関する詳細(ネタバレ注意) 本作の主なホラー演出は一言で表すと「ビックリ系」である。 雰囲気がおどろおどろしいとか、狂気に満ちているとか、そういった要素で怖がらせるというよりは、プレイヤーを驚かせる演出が、いつくるかわからないため、ビクビクするタイプの「恐怖」である。 このような手法を「ジャンプスケア」と呼び、古来よりホラー映画やフリーのホラーゲームなどではよく使用されている手法でもあるが、「サイコロジカルホラー」を名乗っておきながら、ビックリ演出で怖がらせる内容であることに批判意見は当然存在する。 無論、ビックリ演出に頼りっぱなしというわけでもなく、公言している通りのサイコロジカルホラー要素も存在する。プレイヤーにとってはビックリ演出の方が印象に残りやすいが。 オリジナル版からの仕様変更 + 仕様変更についての詳細(軽いネタバレ注意) オリジナル版はプラットフォームがPCであることを活かした演出やギミックも魅力の一つだったが、本作はCS機への移植に伴い、PC版でも独自のデスクトップ上でゲームを起動するという、少々特殊な形態でプレイすることとなる。 要するにオリジナル版の演出やギミックをなるべく損なわないようにCS機へ移植するための苦肉の策なのだが、オリジナル版と比較してしまうと、やはり没入感や衝撃は薄まってしまう。 他にもCS版でプレイする場合は、元々がPCゲームであったことを知っておかないと理解しづらい演出・ギミックが存在する。また、CS版ではプラットフォームの都合上、PC版から削られてしまっている演出やギミックがある点にも注意。 オリジナル版にあった一部のウイルス対策ソフトに引っかかってしまう問題点が解消されているなど、メリットがないわけではないが。 問題点 日本語ローカライズがやや手薄 英語(原語)版ではユリが書く詩は筆記体だったのだが、それが日本語フォントに反映されていないため、作中のセリフと齟齬が生じてしまっている。 特に詩の日本語フォントが全てのキャラで同じフォントであり、フォント自体も全体的に丸っこいもので「!」の点がハートマークになっているなど、キャラクターによってはミスマッチなものとなっていた。 オリジナル版では公式対応していたのは英語のみで、本作ではそこから更に日本語を含む11言語に対応させているので、そこまで手が回らなかったかもしれないが、少し残念に感じる部分ではある。 他にも、文章の末尾に「,Must」と表示されたり、キャラごとの口調が安定しなかったりと明らかな翻訳ミスも見受けられる。 PLAYISMから発売されたPS5/PS4/Switch版では、明らかな誤訳が修正される、詩のフォントがキャラごとに違ったものになっているなど、多少ではあるが改善はされている。 PS5/PS4版のみ、一部の演出に中途半端な規制が入っている + 規制内容の詳細(重大なネタバレ注意) ユリが自らにナイフを突き刺し自殺するシーンで、流血に規制が入っており、血の色が黒くなっている。 そのシーンの規制自体の是非はここでは触れないでおくとして、意味不明なのがその直後の死体。何故かそちらの方には規制が全く入っておらず、死体の傷と血の色は赤いまま。何のための演出変更なのか、まるで理解できない。 本作には他にもサヨリの首吊り自殺やユリの自傷痕やユリの遺体を見てショックを受けたナツキの嘔吐などの刺激的な描写は多数存在するのだが、これらに規制は入っていない。故にここだけ規制されたことがますます疑問。 上記の規制により、恐怖感が減ったかと言われると、正直微妙。規制自体の是非はともかく、規制が中途半端過ぎて演出変更の意味が良くも悪くもほとんどないのは、どうなのだろうか。 もちろん規制が強すぎる影響で、該当シーンを暗転させるなどの雑な演出変更をされて、恐怖感が大幅減少してしまうよりは遥かにマシである。 これらの演出変更でストーリーの理解に支障が出たり、矛盾が発生していることもないため、初見のプレイヤーならPS5/PS4版でも感じ方はそこまで変わらないだろう。 One/Switch版ではこのような規制は入ってない。そのためSIEによる規制と推測されるが、公式からの発表は今のところない。 総評 ホラー演出もさることながら、ストーリー展開なども合わさり、あらゆる意味でプレイした人の度肝を抜いた一作。 ホラー演出自体に賛否はあるものの、本作を最後までプレイしたプレイヤーからは概ね高評価を得ている。 事前情報や初回起動時の警告から単純に驚かせる・怖がらせるだけのゲームではないかと、警戒する人もいるかもしれない。 だが設定面や演出面、ストーリー面の評価も高く、単なるギャルゲーの皮を被ったホラーゲームであると切り捨ててしまうのは勿体ない。 ただし、前述した通りホラー演出以前に刺激的な描写がそれなりにあるため、公式でも警告しているように精神的に不安定な方や対象年齢未満の子供は、本作をプレイすべきではないかもしれない。 成人のユーザーでも単に話題のゲームだからと軽い気持ちで購入するべきではなく、ある程度の覚悟を持って本作をプレイすることを推奨する。 余談 本作の海外CS版の対象年齢が高いのは前述した通りだが、PLAYISMから発売されるアジア版の日本でのレーティングはCERO C(15歳以上対象)。他国のレーティング機関では17~18歳以上対象であるのに対し、少しではあるが対象年齢が下がっている。 海外のレーティングと比べて対象年齢が下がっていることから、発表当初は「何かしらの要素が規制・削除されているのではないか?」と心配する人も存在した。 その後、PLAYISMのTwitterから「アジア版の内容は海外版と差異はなく、レーティングも全要素を提出した上でCEROが審査した結果である」と説明され、公式サイトの紹介ページにも「海外版と内容は同じ」という旨の注意文が加えられた。 ただし、問題点で記述した通りPS5/PS4版には海外版の時点で規制が入っており、アジア版でもPS5/PS4版に同様の規制が入っている点には注意。 なお、オリジナル版を含めたプレイ済の人からは「CERO Cで大丈夫なのか」「最低でもCERO D(17歳以上対象)くらいは必要なのでは」など、15歳以上対象は低すぎるという反応が多数出ている。CERO仕事しろ。 概要でも少し触れたが、本作を作成したDan Salvato氏はゲーマーとしても有名(参照)。 『スマブラ』のプレイヤーとして活躍していたほか、『ヨッシーストーリー』のRTA世界記録保持者でもある。 本作の日本語訳はオリジナル版の非公式日本語化パッチをベースにしている。そのため、クレジットに非公式日本語化パッチの提供元の名前が記載されている。 「週刊ファミ通 2021年10月21日号」では本作が表紙を飾り、特集が組まれた。 特集では公式日本語訳に関するインタビューも行われ、上記の日本語訳を非公式パッチベースにしているのは「開発元のTeam Salvatoがファンベースを大切にしており、それを活かしたいという想いがあったと思われる」とPLAYISMから語られている。 中でも作中で登場する一文「Just Monika」をどう翻訳するかは苦労したらしく、この文章が海外圏でミーム化していることもあって、あえて翻訳しないという案も出てたそうだ。 2023年2月22日に本作の売上が全世界で100万本を突破したことが公式に明かされた。 加えて、開発元のTeam Salvatoはこの売上を資金に新作を開発中であることも発表した(参照)。
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いらっしゃいませ。 文芸部杏電子書架へようこそ。 第11号春部誌 配布はじめました。 第12号夏部誌 製作中! 教育学部 図書館カウンター および工学部 図書館にて配布中です! 2011年度夏部誌の作品をUPしました。 文芸部杏とは? 部員紹介 部誌書架一覧 個人書架一覧 連載作品書架一覧 姉妹サークル『文芸部楓』へ 御意見処 部員向け 作品掲載の決まり .
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